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 国土交通省は現在、三協立山アルミ製のアルミ樹脂複合サッシ「マディオJ」の防火戸仕様について、販売停止と性能評価試験受験を求めている。サンプル調査で遮炎性能が不足していることがわかったためだ。この防火戸は国土交通大臣認定に基づく製品だ。炎にさらされても20分間にわたって炎が燃え抜けない性能が求められるが、実験ではそのわずか半分の時間しかもたなかった。断熱サッシの防火戸仕様を巡っては、エクセルシャノンなど5社による樹脂サッシの認定違反事件が09年1月に発覚している。それから2年足らずで、問題が複合サッシへ“延焼”した格好だ。この問題について、ケンプラッツ読者はどのように考えるのか。意見を聞かせてほしい。(池谷和浩=フリーライター)


 三協立山アルミが国交省から指摘を受けた製品「マディオJ」の防火戸仕様は、建築基準法の定めにより「延焼のおそれのある部分」となる開口部に用いるものだ。この製品は「EB9112」という国土交通大臣認定を拠り所としている。認定のための性能評価にはサッシメーカー各社が出資して取り組み、業界団体であるカーテンウォール防火開口部協会が各社を代表して取得した。

「EB9112」を含む、複合サッシの根拠となっている移行認定の一覧。すべてカーテンウォール防火開口部協会が管理・運営している(図:日経ホームビルダー)
「EB9112」を含む、複合サッシの根拠となっている移行認定の一覧。すべてカーテンウォール防火開口部協会が管理・運営している(図:日経ホームビルダー)

 かつて「EB9112」は、建基法旧38条に基づく「(通)乙種防火戸4号」と呼ばれていた。形状としては、片引き、両引きなど、引き窓全般を指す。建材を構成する材料のとして塩化ビニル樹脂を含んで認定を受けているため、複合サッシはこの認定を根拠にしてきた。「(通)」とは、「通則認定」のことだ。窓サッシは高さ、幅、厚さ、開き方などでぼう大なアイテム数がある。国交省(当時は建設省)はこれらを大枠でくくり、通則的に建築物への使用を認めていた。

 「(通)乙種防火戸4号」は、建基法が2000年施行の改正法で性能規定化された際、性能規定に基づく認定へと形を変えて現在の呼び名になった。だが、実際には無試験のまま名前を変えただけだった。根拠条文が旧38条からスライドしただけなので、こうした認定は通称で「移行認定」と呼ばれている。今回の問題は、この「移行認定」という存在や運用体制に問題があったことを露呈させた。

 性能規定に基づく現体制下で、大臣認定書とは建材の最低性能を保証する文書と位置付けられる。つまり「EB9112」という番号は、同業他社の製品の性能も保証しているのだ。問題は引き窓にとどまらない。例えば「EB9111」ははめ殺し窓を指す。「EB9113」は上げ下げ窓のことだ。窓の構造や使用材料は、「EB9112」とほとんど違わない。そもそもこれらの移行認定は、認定書の別添図書にすら具体的な寸法や詳細断面の記載がない。各社の製品ごとに協会が技術審査を行い、認定に合致しているかを独自に判断してきた。今回の事件はそうした体制下で起こった。