PR

他社製品は大丈夫なのか

 カーテンウォール防火開口部協会は今のところ、「今回の国交省の指摘は三協立山アルミ製『マディオJ』の両引き窓に限定した問題」という立場を取っている。だがなぜ両引きのみだけだと断言できるのか、他社製品は大丈夫なのか、そうした疑問をぶつけても、理由の説明をこばんでいる。事件を“類焼”させないためにも、早急に説明をすべきではないか。

 国交省担当官は取材に対し、「防耐火性能に関する認定でこのように違反が次々と見つかるということは、現時点においてサンプル試験をやめるという状況にはないということだ」と断じる。移行認定を用いた他社製品でも、「サンプル試験で性能が確認できなければ今回と同じ措置をとる」としている。国交省は大臣認定の点検予算として、2010年に3億円を投じた。11年度も同額を予算要求している。サンプル調査は本来、相次ぐ建材偽装事件の不安払拭のための、暫定措置のはずだった。

 住宅エコポイントの追い風もあって売れ行きが向上し始めている断熱サッシだが、樹脂サッシも複合サッシも、ことごとく遮炎性能の面でつまずいた。住宅会社としては、今後もこのような事件が続発することを視野に入れ、顧客に危険性を伝えたり、防火シャッターなど別の遮炎措置を講じたりする検討も必要になるに違いない。