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 伊東豊雄氏の設計による、自身の名を冠した美術館が建設中だ。展示空間は、一般的な“四角い箱”とは全く異なる。垂直面のない複雑な多面体を、鉄板とフラットバーのパネルで組み上げていく。

RC造の1階部分の上に、建て方中の2階部分のパネル。パネル同士はボルト接合し、外側に傾斜するものは、内側からチェーンブロックで引っ張って仮固定している。最終的にはすべてのパネルを水密溶接で一体化し、屋根にはデッキプレートを架ける(写真:松浦 隆幸)
RC造の1階部分の上に、建て方中の2階部分のパネル。パネル同士はボルト接合し、外側に傾斜するものは、内側からチェーンブロックで引っ張って仮固定している。最終的にはすべてのパネルを水密溶接で一体化し、屋根にはデッキプレートを架ける(写真:松浦 隆幸)

 「今治市伊東豊雄建築ミュージアム(仮称)」の建設が進むのは、愛媛県今治市大三島。墨絵のように島々が折り重なる瀬戸内の海を臨む斜面地だ。みかん畑の広がる自然の地形にできるだけ手を加えずに2つの建物をつくる。

海側から見た完成予想模型。右がシルバーハット(模型写真:伊東豊雄建築設計事務所)
海側から見た完成予想模型。右がシルバーハット(模型写真:伊東豊雄建築設計事務所)

 1つは、伊東氏の初期の代表作で、既に解体された東京・中野区の旧自宅「シルバーハット」(1984年完成)を再現するもの。プランや材料を一新して復元し、建築をテーマとしたワークショップなどに使う。もう1つは、新築する「スチールハット」だ。これまで伊東氏が手掛けた建築などを題材に、常設・企画の展示を行う。

シルバーハットの現場(左手前)越しに、スチールハットの現場を眺める。前者は、元の地形の谷に、後者は尾根に建てられている(写真:松浦 隆幸)
シルバーハットの現場(左手前)越しに、スチールハットの現場を眺める。前者は、元の地形の谷に、後者は尾根に建てられている(写真:松浦 隆幸)