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 ニュージーランドのクライストチャーチ近郊で2月22日に発生した地震では、語学学校が入居していたビルが倒壊した。鉄筋コンクリート造、6階建てで、竣工年はわかっていない。耐震工学が専門の東京工業大学の和田章教授は、「(94年に米国で起きた)ノースリッジ地震でも見られた破壊現象だ」と語り、推測される倒壊の要因について次のようにコメントした。

地震によって、語学学校があった6階建てビルが倒壊した。周辺のビルは倒壊を逃れている(写真:AP/アフロ)
地震によって、語学学校があった6階建てビルが倒壊した。周辺のビルは倒壊を逃れている(写真:AP/アフロ)

 「ビルの居室部分は倒壊したが、エレベーターシャフトがあるとみられるコア部分は残っている。コアの耐震壁で水平力を負担し、柱は鉛直荷重しか持たせないという設計思想に基づく構造だったようだ。こうした構造では、コアと居室部分をつなぐスラブが接合部となるので、しっかりとつくっておかないと弱点となる。また、現地から送られてきた映像を見る限り、梁はしっかりしているが、柱は細い。柱に曲げ強度がないので、いったん傾くと、ピー・デルタ効果が働いて、崩壊に至ってしまう。 地震の上下動が大きいと特に脆い。欧米では明快に力を分けた構造が多いが、その弱点が露呈した」

 なおピー・デルタ効果とは、建物が変形すると自重の影響が加わり、変形がより大きくなる現象。