9月2日に国土交通大臣に就任した前田武志参院議員は同日午後10時過ぎ、初登庁後の記者会見に臨んだ。東日本大震災からの復興が最優先課題であると強調する一方、かねて持論としている住宅・施設のエネルギー消費量削減に言及。「低炭素・循環型社会へ大きくかじを切る時期」として、「インフラの戦略的な維持管理・更新」と「エネルギー環境の激変に呼応した建築物のゼロエネルギー化」を加速させる、などの方針を述べた。会見の模様を伝える。(池谷 和浩=フリーライター)
大臣就任の所感として申し上げると、まずは何と言っても、震災からの復興、原発事故の終息に向けての対応。これに尽きる。
原発事故については、国土交通省もいろんな面で縁の下の力持ち的な支えをやっている。そのように聞いており、国交省職員の皆さんも頑張ってくれているなと感じている。
国交省は、いろいろな職種の専門家集団であり、日常的に危機管理をやっている。海上警備をはじめ、河川や道路、港湾、下水道。例えば、地震が来ているだとか、台風が来ているだとか、あらゆる場面で危機管理をやっている。地味な仕事ではあるが、国土の基盤を整備し、そして維持管理していき、そこに危機管理をやっている。今後も、積極的にこの対応を進めてまいりたい。
中期的な話をすれば、時代は、維持管理の時代に入っている。野田首相から私への指示のなかには、「戦略的な維持管理・更新を推進する」との言葉がある。そのとおりだと私も思う。
実はそこに、「低炭素・循環型社会」という、ほぼ国を挙げての認識になってきた考え方が背景にある。これは世界共通の認識になってきた。そちらの方に向けて、大きくかじを切らなければいけない時代に追い込まれた。3.11は、大きなきっかけではなかったかと、今は思っている。
復興に向けて、いよいよ第3次補正予算ということで、国交省としても大いに予算の確保をやっていかなければならない。そのなかでモデル的に、東北の復興のなかで、いかに「循環型」あるいは「持続する国土」という考え方でやっていくか。そういったことも必要ではないか。
以上、冒頭に申し上げ、皆さんの質問を待ちたい。