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 建築家とエンジニアのコラボレーションによって生まれる芸術作品がある。彼らにとって、実験的なインスタレーションへの参加は、お互いの領域から学び、新たな発展のチャンスとなり得る可能性を秘めている。

 英国・ロンドンの街角にアート作品を展示するデザイン・フェスティバルが9月17日から9日間開催された。ここで、建築家とエンジニアのコラボレーションによって実現した二つの「ランドマーク・プロジェクト」を紹介する。

二本の線(Two Lines)

 デビット・チッパーフィールド氏による、「トゥー・ラインズ(二本の線)」が、サウス・バンクに出現した。

 これは、デザイン・フェスティバルの要である“サイズ+マター”と称するプロジェクトの一環で、建築家の創造力と材料・製造過程との間に生じる力強さ(dynamics)を探究する、というコンセプトに基づく。過去には坂茂氏やザハ・ハディド氏などが参加している。

片面を黒く着色し、もう片面には金属コーティングを施した中間膜を合わせガラスで挟んだ。表面の均質さ、半透明性と反射性を兼ね備え、特殊な効果を生み出す。10月15日まで展示している (写真:London Design Festival, 17-25 September 2011 / londondesignfestival.com Susan Smart Photography)
片面を黒く着色し、もう片面には金属コーティングを施した中間膜を合わせガラスで挟んだ。表面の均質さ、半透明性と反射性を兼ね備え、特殊な効果を生み出す。10月15日まで展示している (写真:London Design Festival, 17-25 September 2011 / londondesignfestival.com Susan Smart Photography)

 チッパーフィールド氏は、高さ3.5mの、半透明性と反射性を兼ね備えた合わせガラスによって、彫刻的な「相互作用」を起こした。

 直交方向に配置したガラスによる、単調な鉛直要素の連続した配置の中に、暗示的な“二本の線”が見え隠れする。時間とともに変化するガラスの表情は、作品のそばを行き交う人々に様々な印象を与えている。

 チッパーフィールド氏が手がけたターナー・コンテンポラリーやヘプワース・ウェイクフィールドなど、高名なアートギャラリーがいくつも竣工し、2011年は氏にとって重要な年となった。