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 サステイナビリティという言葉が方々で聞かれるようになって久しい。だが、独自の解釈を示し、それを具現化したプロジェクトは、まだ少数だ。

 オーストラリアの環境アーティスト、ジュースト・バッカー氏は、サステイナビリティに、「バック・トゥ・ベーシック(原点回帰)」という解釈を加え、自らその議論の挑発者になろうとした。彼の発案した期間限定の移動式レストラン“グリーンハウス・バイ・ジュースト”は、建築、ビジネス、生活のライフサイクルやサステイナビリティについて、もう一度初心に立ち返って考えようという実験的プロジェクトである。

仮設ならではの好立地。短期間、難条件をクリアしてプロジェクトを成功へと導いたアラップのプロジェクトマネジメント・チームには、オーストラリア・PM協会から賞が与えられた(写真:アラップ)
仮設ならではの好立地。短期間、難条件をクリアしてプロジェクトを成功へと導いたアラップのプロジェクトマネジメント・チームには、オーストラリア・PM協会から賞が与えられた(写真:アラップ)

 設計から施工、完成まで8週間という短期間で実現したこのレストランは、自給自足のプロトタイプと言える。様々な再生エネルギーの活用、輸送用のスチールコンテナの構造体、ベルトコンベヤーのゴムを再利用した床材、藁(わら)の断熱材など。壁と天井の合板には、他の耐火ボードに比べてカーボンフットプリントを大きく低減できる、耐火性の酸化マグネシウムボードを用いている。このボードは、オーストラリアで初めて採用された。

 飲食のメニューも、その土地の旬のものを中心に構成し、都市型農業の在り方にも示唆を与える。材料には、その日の朝に仕入れた自然食品が用いられ、注文を受けてから調理される。

太陽光パネル、雨水濾過システムや、厨房の廃油をバイオディーゼルに転換するシステムなどを備えている(資料:アラップ)
太陽光パネル、雨水濾過システムや、厨房の廃油をバイオディーゼルに転換するシステムなどを備えている(資料:アラップ)