PR

──先ほど(第1回)のお話に出た「多世代同居」とは懸け離れてしまいますね。

長島 いまの新しいコミュニティのなかで暮らしている20代の人に、私の世代が直接語りかけても理解してもらえることは少ないかも分からない。けれど、60代の人だったら自分の息子世代、例えば40代あるいは30代の人に身を持って示すべきこと、語りかけるべきことはあるはずなんです。それをつないでいくことによって分かってもらう以外ないことがあると思うんですよね。

都市部がリスクを受け持つなかで分散型になるのは賛成

──中山間地域、あるいはふるさとの復権ということにも関係しますが、東日本大震災を経験したことにより、一極集中ではなく分散型の国土を考える動きも改めて出てくるのかと思います。

長島 私の持論ですよ。国の事業を分散するとか、道州制とかを言うときに、県を合併するのか、それとも県を廃止して新たに道を設けるのかという論点がなんとなくおぼろげで、議論が進まないですよね。県が大きくなることには私は別に反対はしないんだけれど、例えば道をつくることが屋上屋を重ねるようなことであってはいけない。

インタビューに応じる長島忠美氏。1951年新潟県山古志村(現長岡市)生まれ。73年東洋大学経済学部卒業。93年~2000年に山古志村村議会議員、00年~05年に山古志村村長、05年に新潟県長岡市復興管理監を務める。05年から衆議院議員、09年東洋大学理事長就任(写真:日経アーキテクチュア)
インタビューに応じる長島忠美氏。1951年新潟県山古志村(現長岡市)生まれ。73年東洋大学経済学部卒業。93年~2000年に山古志村村議会議員、00年~05年に山古志村村長、05年に新潟県長岡市復興管理監を務める。05年から衆議院議員、09年東洋大学理事長就任(写真:日経アーキテクチュア)

 国の業務のうち、道に任せたほうがいいのか、市町村にもっと権限を持たせたほうがいいのかっていう議論がある。今回の災害などを見ていると、市町村の体力を少し増強してあげてですね、それで受け持てないところを、県の合併体になるのか新しい道になるのか分からないけれど、そちらで補う。そんなふうにまとめてあげることが大事かなと。そのときに国は、基本的な国土の保全とか、教育とか外交とか、国民が平等でなければならないところを調整してあげる機能を担っていくのだろうと。そういうふうに思いますけれどね。

 税の再分配が非常に大事な問題ですね。再分配しなかったら東京が一人勝ちするわけですから。今回の震災で言うならば、東京都民が放射性廃棄物を受け入れるような環境というのが現実問題として整うとは思わないけれど、東京で消費するエネルギーのためにそれくらい深刻な問題を福島県民が抱えているんだっていうことを、都民は踏まえないとならない。東京は最先端に居て日本を引っ張っていかなければならないんだけれど、利益の集まるところであると同時に、リスクも背負っていく。そうした役割を地方だけでなく、東京もこれからは受け持つ。その結果として、分散型の国土になって地方都市が力を付けていくことについては私は賛成ですけれどね。