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セゾングループの侵攻…1980年代:シブヤ・ポストモダン(1)

 東急会館や渋谷109などの建設により、東急電鉄のグループがシブヤ建築の歴史の中で重要な役割を果たしたことを明らかにしたが、1980年代はもうひとつの電鉄系グループが主役となる。西武鉄道から派生したセゾングループである。

 渋谷では1968年に西武百貨店を開業していたセゾングループは、1970年代には公園通りへと開発の手を広げる。ファッションビルのパルコパート1パルコパート2(仁愛ビル)をオープンさせ、そのなかには流行の先端を行くアパレルや雑貨の店を入れた。

 80年代になって、セゾンのさらなる渋谷開発が進む。パルコパート3(1981年)、ザ・プライム(1985年)、西武渋谷店シード館(現・西武渋谷店モヴィーダ館、1986年)、西武渋谷店ロフト館(1987年)、クアトロ・バイ・パルコ(後のパルコクアトロ、1988年)を相次いで開店。公園通りの西側を、オシャレな一大ショッピングゾーンへと変えたのである。

パルコパート3。竣工は1981年(写真:ケンプラッツ)
パルコパート3。竣工は1981年(写真:ケンプラッツ)
ザ・プライム。竣工は1985年(写真:ケンプラッツ)
ザ・プライム。竣工は1985年(写真:ケンプラッツ)
パルコクアトロ。1988年にクアトロ・バイ・パルコとして竣工(写真:ケンプラッツ)
パルコクアトロ。1988年にクアトロ・バイ・パルコとして竣工(写真:ケンプラッツ)

 同時にそこは劇場、ライブハウス、ギャラリー、ブックショップなどを備えていて、最先端の文化に出会える場でもあった。それまでは先端的な文化と商業主義は相入れないものだったが、消費文化が発達した80年代においては、商業こそが先端的な文化を担うとみなされる。消費は文化となったのである。