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避難階段付きの「心柱制振」

塔体の中心部にエレベーターシャフトが見える。さらに内部に「心柱」が設置されている(写真:日経アーキテクチュア)
塔体の中心部にエレベーターシャフトが見える。さらに内部に「心柱」が設置されている(写真:日経アーキテクチュア)

 鉄骨で組んだ塔体の中心近くにはエレベーターシャフトが、さらにその内側には直径約8m、高さ約375mの「心柱(しんばしら)」と呼ぶ制振装置が入っている。RC(鉄筋コンクリート)造の心柱と塔体は構造的に分離していて、それぞれの揺れの周期をずらすことで構造物全体の揺れを抑制する。心柱の中には避難階段が設置されている。

 東京スカイツリーへの入場は、団体客は1階、一般客は4階になる。1階の団体フロアでは、ガラス越しに塔体の足元を見ることができる。ガラスには構造上の工夫や溶接の技術などが書かれている。例えば下の写真は、4本の主材からなる「鼎(かなえ)トラス」の説明だ。ちなみに鼎とは、3本の足を持つ中国古代の器の呼び名のこと。

1階の団体フロアのガラスには、構造や溶接技術の紹介が書かれている。ガラス越しに実際の塔体が見える(写真:日経アーキテクチュア)
1階の団体フロアのガラスには、構造や溶接技術の紹介が書かれている。ガラス越しに実際の塔体が見える(写真:日経アーキテクチュア)