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展望台は方立に注目

 4階の入り口フロアから、エレベーターで一気に地上350mの「天望デッキ」(第1展望台)に上がる。天望デッキはフロア340、フロア345、フロア350の3層構造だ。よく見てほしいのは開口部の方立。ガラスの内側にあるのが一般的だが、天望デッキでは外側にある。外周部の溝を外装メンテナンス用ゴンドラのレールとして使用する。

天望デッキ(第1展望台)のフロア350(写真:日経アーキテクチュア)
天望デッキ(第1展望台)のフロア350(写真:日経アーキテクチュア)

 フロア340のガラス床も見どころの1つ。上に乗って真下を見ると、塔体の「そり」がよく見える。ガラスは2層構造で、上層は厚さ12mmのガラス4枚重ねで構成されている。

ガラス床から下を見る。塔体の「そり」が分かる(写真:日経アーキテクチュア)
ガラス床から下を見る。塔体の「そり」が分かる(写真:日経アーキテクチュア)

 「天望回廊」(第2展望台)には、フロア350から再びエレベーターに乗って昇る。天望回廊は高さ445~450mに位置するスロープ状の展望台だ。ガラス交換の仕組みに注目してほしい。

天望回廊(第2展望台)のガラスサッシ。内側からガラスを交換する仕組みになっている(写真:日経アーキテクチュア)
天望回廊(第2展望台)のガラスサッシ。内側からガラスを交換する仕組みになっている(写真:日経アーキテクチュア)

 飛来物などで万が一ガラスが破損した場合、地上450mという高さと複雑な形状のため、外側に足場を組んで交換するのは難しい。そのため、天望回廊のガラスサッシの押し縁は内側に付いていて、ガラスを全て内側から交換する仕組みになっている。

 ガラス1枚の大きさも交換しやすさを考慮している。勾配のある天望回廊には、大判のガラスを運搬する機械が入れない。ガラスの重量を2~3人で運搬できる約25kg以下とした。