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 世の中の節電意識や、環境建築への興味の高まりなどが相まってか、日射熱取得を抑えながら建物に自然光を取り入れたい、という要求が増えてきているように感じる。

 アラップでは、「原則に立ち返る」、ということを設計の中の重要なプロセスと考えており、実践してきた。自然光を使った先駆的な建物を探してみると、意外にもノーマン・フォスター氏の設計の香港上海銀行・香港本店ビル(以下、香港上海銀行ビル)に行きあたる。

 英国の代表的な建築家であり、日本でも人気の高いノーマン・フォスター氏。彼の代表作の一つともいえる香港上海銀行ビルは、1986年の竣工から四半世紀以上が経過する。その間に、啓徳空港の移転などによって高さ制限が変更され、香港・セントラルの景色は一変。周囲には400m級の高層ビルが立ち並び、180mの香港上海銀行ビルは、高さという点での威厳は影を潜めつつある。だが、今なおその思想やデザインは異彩を放っている。

香港上海銀行ビルを代表する外観。進歩的なコーポレート・アイデンティティを生み出し、ハイテク建築のはしりと言われる(写真:Ian Lambot)
香港上海銀行ビルを代表する外観。進歩的なコーポレート・アイデンティティを生み出し、ハイテク建築のはしりと言われる(写真:Ian Lambot)