PR

 兵庫県洲本市にある総合病院の建て替え。現病院施設の老朽化や狭隘(あい)化の解消、医療技術の進歩や医療ニーズの変化への対応などを目的に新築移転する。病床数は441床。災害時の拠点病院として医療機能を維持するため免震構造を採用するほか、災害による患者増に対応するスペースを確保している。

 新病院は「急性期病院として機能性、機動性の高い淡路地域の安心と安全を守る病院」を設計のコンセプトの一つに掲げる。救急部門に面して屋根のある外部空間をトリアージスペース(災害時に多数の傷病者が発生した際、傷病の緊急度や程度を見極め、適切な搬送や治療を行う)として確保。1階の外来診療部門前の待合スペース「ホスピタルストリート」や会議室などを災害時の処置スペースとするため、医療ガスを整備している。また、高潮や浸水の対策として、電気室や機械室を2階以上に配置する。ライフライン途絶時にも医療機能を最低3日間維持できる自家発電装置や貯水設備を備える。

 患者やスタッフの動線にも配慮した。患者を迅速に搬送できるよう救急部門は専用の大型エレベーターで手術部門と直結させた。外来診療部門は全て1階に集約するほか、ホスピタルストリートに面して各外来部門を設置するなど、患者に分かりやすい動線を目指した。また、患者を迎え入れる中央待合は中庭のテラスに面した2層吹き抜けとし、明るく開放的な空間をつくった。

 淡路地域は環境立島「公園島淡路」を掲げ、花と緑あふれる島づくりを推進している。新病院は、屋上緑化やグラスパーキングを採用し、花と緑のあふれるガーデンホスピタルを目指した。建物の外観は淡路瓦をのせた大庇や高層部分のバルコニーなどにより、水平方向を強調した。敷地は外壁に赤レンガを使用した工場跡地で、周辺地域もレンガを基調とする建物が多い。こうした景観との調和を意図し、外壁にレンガおよびレンガ調タイルを採用している。

兵庫県立淡路病院
兵庫県立淡路病院

  • 所在地:兵庫県洲本市塩屋1丁目
  • 発注者、事業者:兵庫県
  • 設計者:兵庫県県土整備部住宅建築局営繕課・設備課、安井建築設計事務所
  • 施工者:戸田建設・村本建設・前川建設JV
  • 竣工時期:2012年12月
  • オープン時期:2013年度
  • 主構造:RC造、一部S造
  • 階数:地上8階
  • 延べ床面積:約3万5000m2

  • ※各項目は2011年12月に日経アーキテクチュアが実施した調査時の情報に基づく
  • ※プロジェクト名は仮称、略称を含む
  • ※「─」は未定または非公表を表す
  • ※施工者は原則、建築のみ表記
  • ※竣工、オープン時期は予定を含む
  • ※資料、写真は特記なき限り設計者もしくは施工者の提供