PR

 「建築基準法の仕様規定を満たしても、許容応力度計算すると構造安定性を満たさない住宅が多い──」。芝浦工業大学蟹澤研究室、中国木材の藤田譲さん、村上木構造デザイン室の村上淳史さん、大林組の川合達哉さんら研究チームは、9月の日本建築学会で2階建ての木造軸組住宅に関する調査結果を発表した。

 「プレカットが前提の現在の分業体制では、かつて大工が暗黙のルールとしていた家づくりの作法が失われがち。自由に設計した住宅で、構造の安全性がどの程度担保されているかを検証した」と村上さんは話す。

 調査は、関東地方の地場工務店がプレカット工場に渡した4号建築物の図面から100件を無作為抽出して許容応力度計算を実施。結果、設計応力が許容応力を上回る「エラー」が全ての事例に発生していた。

(資料:「プレカットを用いた木造軸組住宅〈四号建築物〉に関する研究」(日本建築学会大会学術講演梗概集2012年9月)を基に日経ホームビルダーが作成)

(資料:「プレカットを用いた木造軸組住宅〈四号建築物〉に関する研究」(日本建築学会大会学術講演梗概集2012年9月)を基に日経ホームビルダーが作成)

 研究チームは抽出したエラーの分析を行った。例えば、鉛直構面と水平構面について、エラーの構造要因別割合を抽出したのが上のグラフ。鉛直構面では1、2階とも「耐力壁量が不足(各耐力壁線において耐力壁量が不足)」や「耐力壁が不足(実際の重量で計算する許容応力度計算では必要壁量が多くなるため壁量が不足)」が多く、全体の7割以上を占めた。水平構面については、「屋根勾配が5寸超」や「火打ち不足」など、水平剛性の不足に関する要因が多い。