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シートの図柄から足場枠組みを割り付け

外部足場にファサードを転写したメッシュシートの張り込んでいる。2012年7月28日撮影(写真:勝田尚哉)
外部足場にファサードを転写したメッシュシートの張り込んでいる。2012年7月28日撮影(写真:勝田尚哉)

 工事中の景観に話を戻す。

竹中工務店の市東信明総括所長(写真:竹中工務店)
竹中工務店の市東信明総括所長(写真:竹中工務店)

 「地域に長くなじんだ外観を保存しながら建て替える工事なので、工事中でも景観の一部が損なわれることがないようにしたい。そうした思いを形にするアイデアを検討して、建築主に提案した」。

 そう話すのは、竹中工務店の市東信明総括所長。外部足場の垂直養生メッシュシートに、既存建物のファサード写真をほぼ実物大に転写したものを使うという案を採用した。シートの張り込みが完成すると、あたかも既存の建物がそのままあるかのようだ。

 足場シートの計画・製作は手間のかかる作業だった。実際の外壁よりも足場の幅の分、膨張したファサードになる。単純に拡大すればよいわけではなく、直線部と曲線部で拡大率が違う。入隅・出隅で画がなくなるところや足りないところを、自然に仕上がるようにしなければならない。拡大率が違えば高さ方向の調整も必要になってくる。

 足場枠組みの割り付けはシートの図柄から割り出した。特に曲線部は精度が要求される。また、ジョイント部の折り返しでロスになる画同士がぴったりと合うように、端部に少しだけ同じ図柄データを配する工夫もしている。

 現状、新築部の外壁がない部分の足場は、躯体の構築作業に入る前は実は不要だ。景観に配慮してシートを張るために、荷重を新築躯体にあずけなくても足場が自立するように、鉄骨の補強を施してまで先行して設置した。

■外壁シートプロセス
外壁シートプロセス(資料:竹中工務店)
外壁シートプロセス(資料:竹中工務店)