PR

ロンドン・テムズ川に接岸する本船がモチーフ

 江戸橋倉庫ビルが竣工した翌年、同社は本社を丸の内からここに移した。独特のたたずまいのこの建物の外観は、船をモチーフにしたとされる。目の前を流れる日本橋川をロンドンのテムズ川に見立てて、外国航路の本船が停泊しているかのよう。曲面壁や船橋状の塔屋、各所開口部の意匠などにそれらが見て取れ、基壇部の石使いやボーダー類も非常に特徴的だ。

1931年ごろの竣工写真(写真:三菱倉庫)
1931年ごろの竣工写真(写真:三菱倉庫)
テルファークレーン(写真:三菱倉庫)
テルファークレーン(写真:三菱倉庫)
フラットスラブ構造あらわしの室内(写真:三菱倉庫)
フラットスラブ構造あらわしの室内(写真:三菱倉庫)

 日本橋川と楓川に沿って建つこの倉庫に出し入れする貨物は、水運と陸運で運ばれた。往時は接岸した船から、建物に設置されていたテルファークレーンで荷取りされていた。1931年には、我が国最初のトランクルームもここに開設された。

 1963年には、敷地に接している川の上空に高速道路が完成。街の変貌が加速するのに伴い、同社の事業も各種物流業務、不動産開発などへと拡がりをみせていった。

 江戸橋倉庫ビルは、保存・建て替えで日本橋ダイヤビルディングに名称を変える。「日本橋ダイヤビルディング完成の暁には、当社とこの建物、そして街の移り変わりの歴史などについて、ロビーで展示する計画を進めている」と、新井一也マネジャーは話す。