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2層を解体するごとにジャッキダウン

既存の屋根と足場で囲った建物上部の閉鎖空間。この中で解体工事を進める(写真:大成建設)
既存の屋根と足場で囲った建物上部の閉鎖空間。この中で解体工事を進める(写真:大成建設)
解体前の建物内部。既に内装は撤去している。ホテルの客室の配置に合わせて、鉄骨柱がジャングルジムのように並ぶ(写真:大成建設)
解体前の建物内部。既に内装は撤去している。ホテルの客室の配置に合わせて、鉄骨柱がジャングルジムのように並ぶ(写真:大成建設)

 赤プリは国内で解体する建物としては最も高い。07年に解体された高さ約110mのソフィテル東京(東京都台東区)を上回る。

 建物が高くなればなるほど、解体による騒音の拡散や粉じんの飛散、破片の落下を防ぐとともに、工事中に起こり得る地震や強風への備えも重要となる。

 大成建設JVはまず、屋上階の外周に防音パネルを取り付けた専用の足場をつり下げ、建物上部に閉鎖空間をつくった。総重量が1500トンある屋根と足場は、15本の仮設柱で支える。

 1本当たり100トンの荷重を支える仮設柱の長さは20m。仮設柱の下端にある支持材を2層下の大梁の上に載せて反力を取る。

 次に、屋根と足場に囲まれた空間の中で、ジャングルジムのように4m間隔で並んだ建物の鉄骨柱や梁、床などを重機やガスの熱で溶断。2層分の解体が終わるごとに、仮設柱に備えたセンターホールジャッキを使って屋根を下げる。

 1回のジャッキダウンで、建物の2層分の高さに相当する6.4mだけ下げる。降下に要する時間は3~4時間。2層分の解体と屋根のジャッキダウンにかかる1サイクルの工期はおよそ10日だ。

 上部に足場を取り付ける以前から、解体工事は始まっていた。

 大成建設JVは12年6月、内装の撤去やアスベストの除去工事などに着手した。鉄筋コンクリートでできた屋根の床スラブは撤去し、折板屋根に替えることで軽量化。8月に解体のための足場を建物上部の外周に設置して、11月13日に1回目のジャッキダウンを終えた。

 ジャッキダウンを20回繰り返して、13年5月ごろまでに地上部分の解体を終える計画だ。地下部分の解体は、跡地でオフィス・ホテル棟の新築工事を手掛ける鹿島・鉄建・熊谷組JVが引き継ぐ。

仮設柱に組み込んだセンターホールジャッキ。複数本のワイヤを使うため、1本に不具合があっても取り換えやすい(写真:大成建設)
仮設柱に組み込んだセンターホールジャッキ。複数本のワイヤを使うため、1本に不具合があっても取り換えやすい(写真:大成建設)
外周の足場は、建物の外装にある清掃用ゴンドラのガイドレール(中央)に固定する(写真:大成建設)
外周の足場は、建物の外装にある清掃用ゴンドラのガイドレール(中央)に固定する(写真:大成建設)

足場下端のディテール。騒音や粉じんのほか、破片の落下も防ぐ(写真:日経アーキテクチュア)
足場下端のディテール。騒音や粉じんのほか、破片の落下も防ぐ(写真:日経アーキテクチュア)
解体した鉄骨柱などは、建物内の床スラブに設けた開口部からつり下ろす。屋根の下に取り付けたテルハと呼ぶクレーンを使う(写真:大成建設)
解体した鉄骨柱などは、建物内の床スラブに設けた開口部からつり下ろす。屋根の下に取り付けたテルハと呼ぶクレーンを使う(写真:大成建設)

赤プリ新館の平面図。各客室がコーナーウインドーを持ち、広い眺望を確保していた
赤プリ新館の平面図。各客室がコーナーウインドーを持ち、広い眺望を確保していた