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 国土交通省と一般財団法人の建設業振興基金は2月21日、東京・品川で「新事業展開セミナー2013」を開催した。全国から集まった地域建設企業の経営者など156人を前に、建設企業の7連携体が、自ら手掛ける事業を披露した。

セミナー会場の様子(写真:日経BP社)
セミナー会場の様子(写真:日経BP社)

 同セミナーは、国交省が2011年度から12年度にわたって実施した「建設企業の連携によるフロンティア事業」の主な成果を報告するもの。新規事業展開を検討している建設企業への情報提供などを目的に開かれた。フロンティア事業とは、(1)2社以上の建設企業の連携体が実施、(2)技能者や技術者の新規雇用を創出、などの要件を満たす事業を全国から募集し、審査のうえ上限1000万円の助成金を交付するもの。251件の応募があり、91件を選出した。その後、事業の熟度が高い32件を500万円の追加助成対象に選んでいる。(建設企業の連携によるフロンティア事業の選定案件

セミナーで報告された7事業

 セミナーで報告された7つの事業は、以下のとおり。各事業について、中小企業診断士の山北浩史氏が講評を加えた。

(1)「太陽光パネルの取付設置の新工法推進」(ルーフ・エナジー・ソリューション)

 寒冷地の北海道で太陽光発電パネルを普及させるため、無積雪屋根への施工を対象に開発された工法を活用。寒冷地用のメガソーラー架台の開発や、寒冷地対策のノウハウを持つ技術者の育成も行っている。

講評:太陽光発電システムの設置率が低いという地域の大きな課題に着眼し、保有する技術を生かそうとする取り組みといえる。他の積雪地域への展開の可能性もある。

寒冷地用に開発したメガソーラー架台(写真:ルーフ・エナジー・ソリューション)
寒冷地用に開発したメガソーラー架台(写真:ルーフ・エナジー・ソリューション)

(2)「間伐材等を有効利用した土木新工法開発」(地域資源利用協議会)

 地元で産出される間伐材などの自然素材を利用して、土留めや山間部斜面の補強を行う「間伐材二重井桁枠工」「ウッド筋工+鉄筋挿入工」「リサイクル土固化吹付法」の3つの工法を商品開発した。

講評:山林地域の課題を解決しようとする取り組みである。単なる技術ではなく、ユニット化でパッケージ製品という形にすれば、地域資源活用促進法の認定取得などの展開が可能だろう。

間伐材二重井桁枠工の施工例(写真:地域資源利用協議会)
間伐材二重井桁枠工の施工例(写真:地域資源利用協議会)

(3)「提案型森林施業アプリの開発、販売」(郡上地域森づくり協議会)

 森林組合が森林の伐採・造林・間伐・保育を担うに当たって必要となる森林所有者の承認を得るためのプレゼンテーションに使うタブレット端末用のアプリケーションを開発した。森林所有者の理解を促し、施業への意欲を高める。

講評:タブレット端末を使って金勘定を見える化するという、時代を先取りした、まさにフロンティア事業らしい取り組み。アプリを販売して終わりにするのではなく、建設企業としてはコンサルティングに活用できる。

タブレット端末用アプリの事業シミュレーショングラフの例(写真:郡上地域森づくり協議会)
タブレット端末用アプリの事業シミュレーショングラフの例(写真:郡上地域森づくり協議会)