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 太平洋セメントとグループ会社の大阪アサノコンクリートは、両社が共同で大臣認定を取得した収縮抑制コンクリートを、昨年夏に大阪市内の壁状構造物に初めて適用し、このほど実施した竣工6カ月後の検査でひび割れがまったく発生しなかったことを確認した。

 この収縮抑制コンクリートは、石灰石粗骨材、膨張材、収縮低減剤などを用いることで収縮ひずみを大幅に低減し、ひび割れの発生を防ぐことを目的としている。日本建築学会の収縮ひび割れに関する指針では、収縮ひずみを800マイクロ以下に抑えたものを「標準仕様」、500マイクロ以下を「特級仕様」と規定している(マイクロはひずみを表す比率で、1マイクロは10のマイナス6乗)。今回両社が現場に適用した収縮抑制コンクリートは収縮ひずみを350マイクロに抑えることに成功。これにより、ひび割れの発生を防ぐことができた。

太平洋セメントと大阪アサノコンクリートが、収縮抑制コンクリートを導入した大阪市内の壁状構造物。竣工後6カ月の検査でひび割れはなかったという(写真:太平洋セメント)
太平洋セメントと大阪アサノコンクリートが、収縮抑制コンクリートを導入した大阪市内の壁状構造物。竣工後6カ月の検査でひび割れはなかったという(写真:太平洋セメント)

 両社は2008年9月に収縮抑制コンクリートの大臣認定を取得したが、これまで適用実績はなかった。導入のネックになったのが材料費を含めた施工単価の高さ。例えば、施工に用いる収縮低減剤の材料単価は1kg当たり500円から600円で、AE剤や減水剤など一般的な混和剤と比べると2倍以上高い。これまでユーザー側からひび割れを防ぎたいという要望は多かったものの、コスト面で折り合いがつかず導入に至らなかったという。今回は、発注者から価格面を含めた理解が得られたため導入に踏み切った。

 太平洋セメント営業部技術グループの寺田了司・グループリーダーは「今回は、特級仕様のコンクリートが実プロジェクトでも実現できることを技術的に証明することに力点を置いた。これにより、ひび割れを徹底的に抑制したいという施主の要望に応えていく技術的な基盤が整ったと思う」と話している。