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 アートによる街づくりで知られる香川県の直島に3月12日、建築家の安藤忠雄氏(安藤忠雄建築研究所)の名前を冠した「ANDO MUSEUM」がオープンした。安藤氏が設計した島内の建築としては8件目となる。

3月9日、竣工式に続いて行われたテープカット。左から2番目が安藤忠雄氏、3番目が福武財団の福武總一郎理事長、4番目が香川県の浜田恵造知事(写真:日経アーキテクチュア)
3月9日、竣工式に続いて行われたテープカット。左から2番目が安藤忠雄氏、3番目が福武財団の福武總一郎理事長、4番目が香川県の浜田恵造知事(写真:日経アーキテクチュア)

 安藤氏によると、「『自身の建築のミュージアム』というプログラムに対し、考えたのは空間体験そのものを主題とする施設」。その地に建っていた築100年超の木造2階建て古民家の外観を残しつつ、その古民家の内部にコンクリート構造物を入れ子状に組み込んだ。「意図したのは、過去と現代、木とコンクリート、光と闇といった対立する要素が刺激的にぶつかり合いつつ重層する、小さくとも奥行きに富んだ空間だ」(安藤氏)

「ANDO MUSEUM」の全景。築100年超の古民家を生かし、周りの集落に溶け込んでいる(写真:日経アーキテクチュア)
「ANDO MUSEUM」の全景。築100年超の古民家を生かし、周りの集落に溶け込んでいる(写真:日経アーキテクチュア)

 建築面積114.43m2の小さい建築の中には、古民家の外観からは想像できない空間が広がる。館内に照明はない。木造屋根のトップライトや壁面の窓から採り入れた自然光が、コンクリートの壁面に反射しながら光と影の空間をつくっている。展示されているのは、安藤氏がこれまで設計してきた建築の写真や模型、スケッチ、直島の歴史の写真などだ。

外観。手前に見える透明な円錐状の突起が、地下室に自然光を導く(写真:日経アーキテクチュア)
外観。手前に見える透明な円錐状の突起が、地下室に自然光を導く(写真:日経アーキテクチュア)