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住まいに余白を残す

 カスタマイズとコミュニケーションを武器にリノベーションを展開した結果、最悪時30%近くに達していた空室率がゼロになった築古マンションのロイヤルアネックス。今では、ウェブページでの告知が奏功し、仲介会社なしでも、120組の空き部屋を待つ入居希望者のリストを持つまでになった。

 さらに、入居時に実施していた壁紙交換を住みながらでもできるようにして、既存の入居者が長期住みたくなる工夫もした。住み心地を求めて入居希望者が行列をつくり、退去する人はほとんどいない──。そんな人気マンションができつつある。青木さんにとってはまさに「築年に左右されない住空間」だ。

 成功の最大の理由は何か。青木さんは「収益性を第一としないこと」と語った。そして、こう付け加えた。「賃貸オーナーの場合、周辺の家賃相場から賃料を考える人は少なくない。だが、まずは『どういう人に、どんな風に使ってもらいたいか』から考えた方がいい。住人が愛してくれる家づくりの仕掛けを考えれば、古くても入居率は上がる」

 さらに青木さんは「余白」が重要であると語った。「家には、住まい手が自分らしさを発揮できる場所が大切だと思う。賃貸においても、オーナーや管理側が何でも規定してしまうのでなく、ときに住人の感性に委ねる姿勢が、両者の幸せな関係につなげられるのではないか」

 一見、利害関係にあるように思える賃貸の貸し手と借り手だが、実は「価値を共有するパートナーである」と青木さんは指摘する。この強い思いが企画力となり、入居者の獲得、そして、収益力アップにつながった成功の秘訣といえるだろう。

左はメゾン青樹代表の青木純さん。世の賃貸オーナーの地位を向上させたいという。「子どもや周囲の人たちにも尊敬してもらえるように、大家業をもっと誇れる職業にしたい」と語った。右はロイヤルアネックスのウェブページ。入居者の声やカスタマイズした実例を紹介することで、ロイヤルアネックスに住みたいと思う新たなファンが育つ。「入居者たちの暮らし方をのぞきながら、自分の理想とする生活をイメージしているようだ」(青木さん)(写真:鈴木愛子、資料:メゾン青樹)
左はメゾン青樹代表の青木純さん。世の賃貸オーナーの地位を向上させたいという。「子どもや周囲の人たちにも尊敬してもらえるように、大家業をもっと誇れる職業にしたい」と語った。右はロイヤルアネックスのウェブページ。入居者の声やカスタマイズした実例を紹介することで、ロイヤルアネックスに住みたいと思う新たなファンが育つ。「入居者たちの暮らし方をのぞきながら、自分の理想とする生活をイメージしているようだ」(青木さん)(写真:鈴木愛子、資料:メゾン青樹)