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この記事は、耐震改修を多数手掛ける金井工務店(埼玉県川口市)社長の金井義雄さんが気になった耐震改修の問題点に、工学院大学教授の河合直人さんが答えるものだ。今回は母屋と増築部の地震時の揺れ方に関する疑問を、国土交通省国土技術政策総合研究所主任研究官の中川貴文さんとともに解明する。日経ホームビルダーの連載「危ない軸組」の7月号に掲載した一部を紹介する。

 河合さんは、母屋と増築部の耐震強度が違うと、それぞれが異なる揺れ方をすると指摘した。その説明を聞いて金井さんが思い出したのは、東日本大震災で被災した宮城県栗原市の住宅だ。周囲の被害がそれほどでもないのに、この家の母屋だけが倒壊していた。

 「ずっと不思議に思っていたが、もしかしたら母屋は増築部に衝突して倒壊したのではないだろうか」。金井さんは問い掛ける。

 河合さんは、「母屋と増築部が衝突することはあり得るが、倒壊につながるかどうかは解析していないので何とも言えない」と話す。

東日本大震災で被災した宮城県栗原市に建つ住宅。全壊した手前の母屋は当時築80年で、差し鴨居の接合部分で柱が折れていた(写真:日経ホームビルダー)
東日本大震災で被災した宮城県栗原市に建つ住宅。全壊した手前の母屋は当時築80年で、差し鴨居の接合部分で柱が折れていた(写真:日経ホームビルダー)
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2階建ての増築部から見た様子。増築部の接合部付近のモルタル外壁にひびが入っていた。母屋と増築部は接合面の軸組を共有していなかったと思われる(写真:金井工務店)
2階建ての増築部から見た様子。増築部の接合部付近のモルタル外壁にひびが入っていた。母屋と増築部は接合面の軸組を共有していなかったと思われる(写真:金井工務店)
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