(3)耐力板壁
板壁は、やはり水平力に抵抗する構造部材として設計されている。各壁は柱に複雑に掘り込んだ溝に、横長の板材を差し込んで積み上げてある。各板材間には一定間隔のダボが入り、ダボのせん断力で面方向のズレに抵抗して各板を一体化する。
各壁の積み上げる板材数は必ず奇数だ。下から力板(ちからいた)と力貫(ちからぬき)の2枚セットで積み上げる。柱との取合いの工夫で力板は水平力に対して板方向の圧縮力で抵抗し、上にある力貫は「上がり止め」として機能する。桁材と取り合う最上部1枚の力板は、桁下・力貫上のダボ部が横にえぐられていて、横から払い込み設置すると板部材全体の上がり止めになる。
こうすることによって柱の溝に単に板を落とし込んでダボでつないだモデルとは違う、2枚一組で柱に固定された支持条件でダボがより効果的に水平力に抵抗できる耐力板壁となる。