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次の「はだか祭」まで1年未満の超短工期

清水建設の棚橋邦博工事長(写真:勝田尚哉)
清水建設の棚橋邦博工事長(写真:勝田尚哉)

 このプロジェクトは2008年、尾張大国霊神社で長く種々の工事を手掛けてきた清水建設が、儺追殿の耐震診断の依頼を受けたことに端を発する。清水建設は木内修建築設計事務所とともに診断結果に基づいて、当初は構造補強と屋根葺き替えの計画を進めていた。09年に改めて建て替える場合と費用を比較し、総合的な判断から建て替えが決定した。

 儺追殿ははだか祭に必要な社殿のため、工事は祭終了から次の祭までの間に完了させることが絶対条件だ。13年のはだか祭は2月22日で、次のはだか祭は14年2月12日に決まっている。

 旧儺追殿の解体に着手したのは13年3月初旬で、次の祭の設営工事のために建物本体は12月末の施工完了を目指さなければならない。3月末に解体が完了、5月初旬には41本の既成杭とマットスラブの基礎工事が完了、と急いで消化していっても、上屋の施工期間は8カ月弱しかない。

 この種の工事として通常工期の半分足らずの超短工期だ。間に合わせるには、特に多くのボリュームを占める宮大工の施工について対策が必要だった。