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経済効果は1000億円

 経済面の検討はシンクタンクの日本経済研究所(東京都千代田区)が実施。竣工1年後までの経済波及効果を約1000億円と試算した。初年度の来場者数を500万人、入場料を1200円、来場者の消費支出を70億円などとして算出。仮に2年目以降も同じ集客を維持できれば、運営者側に毎年130億円の売り上げが立つ計算だ。

 雇用誘発効果は8240人とした。500万人の来場者があれば、PPP(官民連携)事業にすることで、財政負担を発生させることなく天守の再建と運営が可能との判断を示した。

 集客面では、外国人旅行者の増加に大きな役割を果たすとみる。さらに効果を期待できるのが、サミット(先進国首脳会議)など国際会議を誘致できることだ。日本経済研究所地域本部の小林寛行上席研究主幹は、「歴史的な場所で会議を開くなど特別感を演出すると、その場所が記憶に残る効果が高まる。こうした取り組みは諸外国で進んでいる一方、日本は遅れている」と指摘する。

 国際会議などを「MICE」(マイス)、歴史的建造物などで会議やレセプションを開催することをユニークベニューと呼ぶ。MICEはMeeting(会議)、Incentive tour(報奨・研修旅行)、ConventionあるいはConference(大会・学会・国際会議)、ExhibitionあるいはEvent(展示会、イベント)の略語だ。一度に大勢が移動して参加者の消費額も大きいことから、ビジネストラベルの一形態として各国が力を入れている。

10月25日に実施した発表会で説明する関係者。左から日本経済研究所地域本部の小林寛行上席研究主幹、調査検討委員会委員の三浦正幸・広島大学大学院教授、日本都市計画学会の元会長で調査検討委員会委員長の伊藤滋・早稲田大学特命教授、同学会副会長で調査検討委員会副委員長の中井検裕・東京工業大学大学院教授、江戸城天守を再建する会の小竹直隆理事長(写真:日経アーキテクチュア)
10月25日に実施した発表会で説明する関係者。左から日本経済研究所地域本部の小林寛行上席研究主幹、調査検討委員会委員の三浦正幸・広島大学大学院教授、日本都市計画学会の元会長で調査検討委員会委員長の伊藤滋・早稲田大学特命教授、同学会副会長で調査検討委員会副委員長の中井検裕・東京工業大学大学院教授、江戸城天守を再建する会の小竹直隆理事長(写真:日経アーキテクチュア)