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 他の長屋住民の承諾を得ず、長屋の一住戸を切り離して戸建て住宅に建て替えた住民(Y)に、戸建て住宅の撤去と、残りの長屋に生じた不具合の補修費用約560万円の支払いを命じる判決を、東京地方裁判所が8月22日に言い渡した。

 長屋は住戸ごとに切り離して建て替えを行うケースが多いなか、安易な工事に警鐘を鳴らす判決だ。

 同じ長屋を区分所有する住民16人(X)に訴えられたYは、判決を不服として9月9日に控訴した。控訴理由についてYの代理人は「係争中なのでコメントできない」と話す。

 長屋は1978年に完成した、12住戸からなる区分所有の鉄骨3階建てだ。東京都大田区に建つ。北端の住戸に住むYは、住戸を切り離して建て替える計画を文書で一部住民に伝え、6年後に建築主事から建築確認を得て96年に工事を実施した。

 工事終了後、残りの長屋に雨漏りなどの不具合が発生。そして、切り離しによって建築基準法の第2種高度地区に抵触する違法状態になったことを行政から知らされた。

 Xは区分所有法と民法の不法行為に基づき、Y邸の撤去、土地の明け渡し、不具合の損害賠償を求めて提訴した。

Y邸建て替え前の長屋立面図(資料:日経ホームビルダー)
Y邸建て替え前の長屋立面図(資料:日経ホームビルダー)