PR

スプラインを円弧と関連付け

 この建物の形態で特徴的なのは、上部に向かって徐々に小さくなっていくことだ。つまり各階すべて平面図は異なる。各階の面積は、タマゴ形状の容積を階ごとに切り出した切断面で囲まれた部分となる。タマゴ形状は曲線表現の1つであるNURBS(ナーブス)(非一様有理B-スプライン関数)で設計してあり、各階の外形線はスプライン曲線となる。

 基本計画、基本設計の初期段階では、この外形線をスプライン曲線としたまま面積をCAD上で拾い、計画を進めることができる。しかし、スプライン曲線は面積計算表に使うことができず、近似した複数の円弧(アーク)に分解する必要がある。

 最近は近似する円弧をプログラムが自動で示してくれるので、それを見ながら円弧の数を使いやすい数に定められる。これがまさに合理化(ラショナライゼーション)の第一歩であり、BIMを使うメリットだ。デジタル・プロジェクトというBIMソフトを使っている。

 このように定めた基準線を面積計算のライン、つまり外壁となるガラス面(中国は外側のガラス面で面積を計算)の基準線とし、ここから内側に1m引き下がったラインを柱の中心線とした。外周に配した地上部の柱は傾いているが、各階の引き下がり量を等しく取ることにより外形と同じ柱の傾きを得ることができる。

 設計当時、クライアントのSOHO中国は北京で複数の開発を進行中で、そのうちの1つが近隣関係によって当初見込んだ面積を取ることが難しくなっていた。行政と協議して失われる5000m2ほどの面積をこのプロジェクトで増やせないかというスタディーを要求された。

 既に実施設計に入っており、大きな変更はできない段階だったので、1つのタワーだけ各階のガラス面を外に向かって5cmほど移動させて面積を増やすことにした。その際に基準になる外形線をスプラインから円弧へと関連付けておけば、常に面積を正確に測ることができる。