CLTの製造と担い手育成が始まる
CLTに関する様々な取り組みは、10年6月に国交省が主催する「木の家づくりから林業再生を考える委員会」で、銘建工業の中島さんがCLTを紹介してから一斉に始まった。同社はその後、山佐木材(鹿児島県肝付町)、協同組合レングス(鳥取県南部町)と日本CLT協会を立ち上げ、CLTの研究と製造をスタートさせた。
協同組合レングスはこれまでに、幅36mmの3層パネルを「Jパネル」として生産し、耐力壁や準耐火構造などの大臣認定も取得してきた。日本におけるCLTのいわば先駆けだ。JAS規格では3層のCLTに該当する。
高知県はCLTの先進県となり、林・材・建設業の振興を図るという目的でCLT建築推進協議会を13年7月に設立した。メンバーは県と16市町村、四国森林管理局、高知県森林組合連合会(県森連)、高知県建築士事務所協会などの関連団体、学者、日本CLT協会だ。
CLTを設計、施工できる技術者を育成するため、県森連ビルと農業関連施設をCLTでつくる計画も進めている。目下、協議会に属する設計者が集まり、東京大学生産技術研究所教授の腰原幹雄さんから指導を受けながら県森連ビルの基本設計案を作成しているところだ。延べ面積は1700m2前後。15年に着工の予定だ。