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「天然芝は管理が難しい」

 続けて登壇したのは、順天堂大学の鈴木客員教授。都庁勤務時に複数の公共建築の発注や運営に関わった経験を踏まえ、新国立競技場計画の問題点について語った。

(写真:介川 亜紀)
(写真:介川 亜紀)

懸念項目には、事業収支に関わる内容が多い。「芝は試合やイベントで一旦荒れると、復旧に時間を要する」(写真:介川 亜紀)
懸念項目には、事業収支に関わる内容が多い。「芝は試合やイベントで一旦荒れると、復旧に時間を要する」(写真:介川 亜紀)

 鈴木客員教授は、建設時、完成後の経営時ともに大幅な赤字を生むのは明らかだとして、新国立競技場計画の見直しを訴えた。あくまでも私的な考えとしつつ、計画の懸念項目を複数挙げた。

 「天然芝は管理が非常に難しく、良好な状態を保つにはサッカーのみで年間50試合が限度。味の素スタジアム(東京都調布市)では2日間のロック・コンサート後、芝を全面改修した前例がある」「年間利用が48日、年間収支が4億円黒字という収支計画は疑問が多い。世界陸上競技選手権大会の東京大会の際でさえ、国立競技場は満杯にならなかった。収容人数8万人の新国立競技場を11日間も満杯にするのは難しい」などと指摘した。

 また、建設業界の人手不足にも触れ、「五輪特需や震災復興、公共施設の老朽化といった課題に並行して対応できるか」などと述べた。「2020年までの五輪と東北復興への取り組みが同時に分かるような工程表をつくるべき」といった東北復興に携わるNPOの女性の意見も紹介した。