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「コンペは設計発注の外部化を」

 建築家の山本氏は、新国立競技場に対して反対、賛成いずれの立場でもないとしたうえで、国内の設計コンペにアドバイザーとして関わった経験から、望ましい設計コンペ体制について提案した。「設計コンペは皆がプロセスに納得することが重要だ」

 「専門性」と「総合性」を分離して相互を検証するほか、全体の流れを透明化するために、設計コンペに関する業務の外部化が1つの解決策になるという山本氏の考え方に基づく。

建築家の山本想太郎氏。「近代社会全般で総合性と専門性の分離が進む。特に日本では専門性優位の傾向が強く、問題が分断されて本質が見えにくくなっている」(写真:介川 亜紀)
建築家の山本想太郎氏。「近代社会全般で総合性と専門性の分離が進む。特に日本では専門性優位の傾向が強く、問題が分断されて本質が見えにくくなっている」(写真:介川 亜紀)

 会場との質疑では、建築家の鈴木エドワード氏が「(現国立競技場の)改修案に賛成する。これから我々に何ができるのか、前向きな提案を聞きたい」と発言した。登壇者からも発言があり、例えば、森山氏は日本で公共施設の改修が進みにくい現状に触れ、「既存不適格を含めた古い建物と、改修後の建物に対する評価方法が確立されていない」と課題を指摘した。

 JSCは1月23日、新国立競技場の建設プロジェクトについてスケジュールを公表。3月までに基本設計を終え、4月から実施設計に着手する方針を打ち出した。現在の国立競技場の解体工事は7月に着手する方針だ。この日の勉強会で上がったような様々な懸念をいかに払拭していくか。プロジェクトに対する賛否両論があるなか、多くの国民、都民が納得する“レガシー”に導くには、徹底した情報公開と丁寧な発信が欠かせない。