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 「工事費が予測しにくいのは、“橋”と同様の構造だからではないか」。登壇者が語る意外な意見の数々に、会場がどよめいた――。

右から順に作家の森まゆみ氏、沖塩荘一郎・東京理科大学名誉教授、鈴木知幸・順天堂大学客員教授、建築エコノミストの森山高至氏、建築家の山本想太郎氏(写真:介川 亜紀)
右から順に作家の森まゆみ氏、沖塩荘一郎・東京理科大学名誉教授、鈴木知幸・順天堂大学客員教授、建築エコノミストの森山高至氏、建築家の山本想太郎氏(写真:介川 亜紀)

 2014年1月14日、「みんなで学ぼう、新国立競技場のあり方」と題した公開勉強会が、東京都渋谷区の建築家会館で開催された。主催は「神宮外苑と国立競技場を未来へ手渡す会」。建築物や景観の保存活動の経験を持つ共同代表10名が立ち上げた任意団体だ。新国立競技場の建設に反対する立場で、現在の国立競技場を改修する案に変更するよう訴えている。

 “手渡す会”は、13年11月25日の新国立競技場の建設計画に関する公開座談会以降、月1回程度のペースで勉強会を開くことにしている。勉強会などを通じて計画の問題点や課題を洗い出し、実施設計までにそれらを解決する方策を関係各所に提案していく考えだ。すでに、文部科学省や東京都、日本スポーツ振興センター(JSC)などに質問状を提出するなどの運動を展開している。

 登壇した識者は、建築エコノミストの森山高至氏、東京都で2016年東京五輪招致準備担当課長を務めた順天堂大学の鈴木知幸客員教授、日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)顧問である東京理科大学の沖塩荘一郎名誉教授、日本建築家協会デザイン部会長の建築家、山本想太郎氏の4名。司会進行は、同会共同代表の作家、森まゆみ氏が務めた。

 この日の論点の1つは、新国立競技場のコストだった。英国在住の建築家、ザハ・ハディド氏のデザイン案について、建設費がコンペ募集時の1300億円から最大3000億円まで膨らむとの試算が、一時示されるなど大きく変動。基本設計の前提として約1700億円とすることで決着したが、反対派からは本当にその額に収まるのか、疑問の声が多く聞かれる。