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震度5強以下でも倒壊する危険性

【問題公表後の経緯】

  • 長野県はさらに、アーネストワンに対して、「鉄筋の切断」を前提に構造計算をやり直して、マンションの耐震強度を確認するように指示した。
  • アーネストワンは4月10日、長野県に構造計算の結果を報告した。構造計算は、第1段階で許容応力度を確認して、それに合格した場合にのみ第2段階に進んで保有水平耐力を確認する仕組みになっている。しかし、強度が不足しているため、第1段階で不合格と判明。第2段階に進むことができなかった。これを分かりやすく説明すると、震度5強以下でも倒壊する危険性があるということになる。なお建築基準法は震度6強~震度7に耐えることを求めている。
  • 長野県は4月11日、構造強度が不足している事実を公表した。
  • アーネストワンは同日、「解体するか補強するか、まだ決めていない。5戸の購入者(入居済み2戸、売約済み3戸)とは契約を解除する」と述べた。
  • 後日、東武建設はアーネストワンに対して、建物を買い取って解体したいと申し入れ、アーネストワンはこれを受け入れた。
  • 東武建設は解体する理由を、「建物を補強して構造耐力を回復できたとしても、不動産としての価値は元に戻らない。そのことに責任を感じているため」とした。また、「現場所長は50歳代のベテランだったが、うっかりしていたり、監理者などとの意思疎通がうまくいかなかったりしてミスを犯した」と説明した。
  • 続いて、東武建設は長野県に建物を解体したいと申し出た。県はこれを受け入れ、解体時には建設リサイクル法など関係法令を順守するように求めた。また建物の構造強度が弱いため、敷地の近くを通る長野新幹線に悪影響を及ぼさないように、工事の開始はJR東日本との協議を経てからとした。
  • 東武建設は2008年7月、解体工事に着手。未使用の流し台セットや畳など運び出してから、躯体を解体した。
  • 東武建設は2008年12月、解体工事を終了し、長野県に報告した。建築費は約9億円で、解体費用は約1億5000万円だった。
    「サンクレイドル佐久平工事失敗事件」に関しては、毎日新聞の報道記事、日経BP社の建設・不動産総合サイト「ケンプラッツ」の報道記事(「鉄筋切ったままマンションを竣工させる」、「東武建設が長野県で、鉄筋切られた長野のマンション、耐震性不足で解体へ」)、長野県ウェブサイトの公開情報に基づいた。