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「南青山」の建物は今後どうなるか

ザ・パークハウスグラン南青山高樹町(写真:ケンプラッツ)
ザ・パークハウスグラン南青山高樹町(写真:ケンプラッツ)

 「佐久平」では完成した建物は解体された。一方、「南青山」では、建物の扱いは、現在進行中の調査結果が判明してから決まる。

 三菱地所広報部はこう説明する。

 まず、現段階で判明している、一部の梁で生じたスリーブ高さの不具合(43個所)、および全個所の対物検査を検討している梁の機械設備スリーブの扱いについて。「これは是正が可能と考えている。是正する場合には、コア抜きに限らず、斫り・補強・スリーブ再設置などを検討する。その場合には、ウォータージェット工法が必要になるので、工期は1年以上かかると予想される」。

 ウォータージェット工法とは、ノズルから噴射された超高圧水の圧力で、コンクリートを少しずつ斫り出す(はつりだす=薄く削りとる)方法。振動が少ないため環境にやさしい、構造物に与える変形・ひずみ・残留応力が少ない、鉄筋を傷めずにコンクリートをピンポイントで除去できる、などの特徴を持つ。すなわち、鉄筋を切断する恐れがあるコア抜き工法と違って安全性は高いが、その分だけ工期が長くなる。

 次に、現在進行中の調査で、新たな不具合等が判明したとき。「その場合には、対処方法を慎重に検討する」。

 建物が追加工事によって生まれ変わるか、それとも見込みがないとして解体に追い込まれるか。結論が出るまでには、今しばらくの時間がかかる。

参考資料

細野透『耐震偽装──なぜ、誰も見抜けなかったのか』(日本経済新聞社、2006年)