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設計・施工一括発注で五輪工事との重複リスクを低減

 発注方式とスケジュールの案は、1月27日に開催した市議会の新市庁舎に関する調査特別委員会で、横浜市が明らかにした。

 同委員会の資料によれば、発注方式は従来のやり方にのっとって設計と施工を分けて発注する設計・施工分離方式と設計と、施工を合わせて発注する設計・施工一括方式を検討した。検討に当たっては13年夏、大手の建設会社やデベロッパーなどにアンケートやヒアリングを実施。20年のオリンピック・パラリンピック開催都市が東京に決まったのを受け、9月から10月にかけては再調査も実施している。

 調査に協力したある企業は、工事を含めた契約を早期に締結できる設計・施工一括方式の利点を指摘。オリンピック関連施設の建設が16年にピークを迎えると考えられることから、設計・施工一括で15年までに発注できれば工事費高騰や完成が遅延するリスクを低減できると回答した。

 同社の試算では設計・施工分離方式での発注の場合、入札手続きに必要な期間を含めて新庁舎の完成までに要する期間は約60カ月。これに対し、設計・施工一括方式では約51~54カ月と、6~9カ月短縮できるとみている。

 別の企業も、施工を考慮して設計することでコストダウンや工期短縮につながると設計・施工一括方式の利点を指摘した。

 横浜市はこれらの意見を踏まえ、工期短縮や、建設コストとライフサイクルコストの削減、施工会社の独自の技術や工法を導入しやすい点などを考慮して、設計・施工一括方式での発注が最適と判断した。市が求める性能や仕様を確保するために、設計・施工者から独立したCMr(コンストラクション・マネジャー)を置く。

 設計・施工一括方式で発注した場合、発注手続きを経て15年度内に設計に着手できる。施工の準備などを設計と並行して進めることで、工事を実質30カ月に短縮する。19年度には新庁舎が完成し、20年度当初には新庁舎に移転できると見込んでいる。

設計・施工分離方式と設計・施工一括方式を採用したときの、それぞれの移転までのスケジュール(資料:横浜市)
設計・施工分離方式と設計・施工一括方式を採用したときの、それぞれの移転までのスケジュール(資料:横浜市)

 市は、建設会社だけで設計を含めて受注する場合と、建設会社と設計事務所との共同企業体(JV)で受注する場合の2つのケースを想定している。

 さらに、市内の企業も入札に参加できるような方法を検討する。例えば、入札参加資格を市内の企業を加えたJVとするなどの条件を付加する方法を考えている。