PR

 長野と同じ轍(てつ)を踏むな――。ソチ五輪の閉幕が迫った2月21日、次の冬季五輪を2018年に平昌(ピョンチャン)で開く韓国で、同国のシンクタンクである現代経済研究院が報告書をまとめた。

平昌五輪の主会場となる平昌のアルペンシアリゾート。ランドマークであるスキーのジャンプ台は、五輪の競技にも使われる(写真:平昌オリンピック・パラリンピック組織委員会)
平昌五輪の主会場となる平昌のアルペンシアリゾート。ランドマークであるスキーのジャンプ台は、五輪の競技にも使われる(写真:平昌オリンピック・パラリンピック組織委員会)

アルペンシアリゾートには観光客などが宿泊するホテルも多い(写真:韓国海外文化広報院)
アルペンシアリゾートには観光客などが宿泊するホテルも多い(写真:韓国海外文化広報院)

 平昌は首都のソウルから東に150kmほど離れたリゾート地だ。テレビドラマ「冬のソナタ」のロケ地の1つにもなった。スキー場やホテル、ゴルフ場、プール、音楽ホールなどが整備され、多くの観光客が訪れる。ここ数年間で、中国からのスキー客が2倍以上に増加した。

 韓国の国会は14年1月、平昌五輪までの4年間で、施設整備と大会運営に計12兆8485億ウォン(約1兆2200億円)を投じる政府予算案を可決した。内訳は競技場などの整備費に11兆879億ウォン(約1兆500億円)、大会期間中の運営費に1兆7606億ウォン(約1700億円)となっている。

 五輪によって海外から20万人の観光客が訪れると試算。開催に向けた準備を通して、20兆4973億ウォン(約1兆9400億円)の生産誘発効果と23万人の雇用創出効果が期待できるとはじく。

平昌は韓国の日本海寄りに位置する(資料:平昌オリンピック・パラリンピック組織委員会)
平昌は韓国の日本海寄りに位置する(資料:平昌オリンピック・パラリンピック組織委員会)

平昌五輪はアルペンシアリゾートなどがある山岳地区で主にスキー競技を開き、海岸地区の江陵(カンヌン)で主にスケート競技を開く(資料:平昌オリンピック・パラリンピック組織委員会)
平昌五輪はアルペンシアリゾートなどがある山岳地区で主にスキー競技を開き、海岸地区の江陵(カンヌン)で主にスケート競技を開く(資料:平昌オリンピック・パラリンピック組織委員会)

 こうした計画に対して一部の韓国メディアからは、政府や自治体が「五輪の呪い」に苦しむだろうと警戒する声が上がっている。先の予算案に含まれるのは競技場などの整備費と大会期間中の運営費だけで、大会後に五輪施設を生かす観光政策などの費用がほとんど手当てされていないからだ。

 五輪の呪いとは、開催都市が大会後に巨額の負債に苦しむ状況を指す。1976年に夏季五輪を開催したカナダのモントリオールは、10億ドル以上の債務を抱えて返済に30年を要した。10年の欧州債務危機の発端となったギリシャは、04年のアテネ五輪に過剰投資していた。