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石巻地元工務店協同組合・代表理事の日野節夫さん(写真:日経ホームビルダー)

 東日本大震災の被災地では、自力再建が本格化する2014年以降、資材や職人の不足がさらに深刻になるとの懸念が高まっている。こうした問題にどう対応するか、復興住宅に取り組む識者や実務者の声を3回にわたって紹介する。

 第2回は、地元工務店や設計事務所など60社が結束して2013年10月に設立した石巻地元工務店協同組合で、代表理事を務める日野節夫さん(ヒノケン代表取締役)。2014年2月には、市が発注する災害公営住宅を担当する基本協定を市と取り結んだ。組合設立の経緯と、復興後の組合像を聞いた。


――石巻市が発注する災害公営住宅を受注するため、地元の工務店が団結して組合をつくったと伺いました。経緯をお聞かせください。

日野節夫さん 震災後、大手ハウスメーカーの営業攻勢に危機感を抱いたのがきっかけです。震災発生直後は、被災した顧客などからの依頼を受けて、補修や片付け、消毒などに追われていました。そうこうするうちに、大手ハウスメーカーが新しい住宅展示場にこぞって出展し、街角にモデルハウスをつくり、新聞の折り込み広告を出すようになったのです。中央に新築住宅の仕事を持っていかれる、という危機感を抱きました。もともと大手に資本力があることは分かっていましたが、震災後の対応にも慣れているなと感じました。

 危機感に追い打ちをかけたのが、市から災害公営住宅の話があったことです。市と地元建設会社の懇談会の際、「大手の下請けをやらないか」と提案されたのです。驚きました。地元の工務店より大手に依頼したいのかと。

 住宅を手掛ける地元の工務店が集まって、「地元に発注してほしい」と市に要望しました。市は、組合か法人をつくってほしいということでした。それで組合をつくることにしました。2013年10月に約60社で組合を設立。2014年2月には、市との間で組合が災害公営住宅約660棟を担当するという基本協定を結ぶことができました。

石巻市蛇田地区に震災後できた住宅展示場。大和ハウス工業、住友林業、積水化学工業、ミサワホーム、三井ホームなど、大手ハウスメーカーの住宅が並んでいる(写真:日経ホームビルダー)
石巻市蛇田地区に震災後できた住宅展示場。大和ハウス工業、住友林業、積水化学工業、ミサワホーム、三井ホームなど、大手ハウスメーカーの住宅が並んでいる(写真:日経ホームビルダー)

上の住宅展示場のすぐそばに、ヒノケンのモデルハウスもある(写真:日経ホームビルダー)
上の住宅展示場のすぐそばに、ヒノケンのモデルハウスもある(写真:日経ホームビルダー)

三陸自動車道の石巻河南インターチェンジのすぐそばに、石巻市新蛇田地区被災市街地復興土地区画整備事業が進んでいる。目の前に、イオン石巻ショッピングセンターがあり、利便性の高い地域だ(写真:日経ホームビルダー)
三陸自動車道の石巻河南インターチェンジのすぐそばに、石巻市新蛇田地区被災市街地復興土地区画整備事業が進んでいる。目の前に、イオン石巻ショッピングセンターがあり、利便性の高い地域だ(写真:日経ホームビルダー)

石巻市新蛇田地区被災市街地復興土地区画整備事業の未来予想図(写真:日経ホームビルダー)
石巻市新蛇田地区被災市街地復興土地区画整備事業の未来予想図(写真:日経ホームビルダー)