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東北だけでなく全国的に不足傾向

 国土交通省の建設労働需給調査でも、技能労働者の不足感が裏付けられている。東日本大震災後の2011年7月に人余りを示す「過剰」から「不足」に転じ、以降慢性的な不足状態が続いている。

建設技能労働者の過不足の推移。東日本大震災以降、不足感が続いている(資料:国土交通省)
建設技能労働者の過不足の推移。東日本大震災以降、不足感が続いている(資料:国土交通省)

 2月25日に発表した14年1月の調査結果でも、8職種全てが不足状態となっており、特に型枠工(建築)ととび工が不足している。地域的には、復興工事が本格化してきた東北地方だけでなく、全国的に職人が不足傾向だ。

2014年1月時点の職種別過不足感。8職種ともに前年同月と比べて悪化している(資料:国土交通省)
2014年1月時点の職種別過不足感。8職種ともに前年同月と比べて悪化している(資料:国土交通省)

2014年1月時点の地域別過不足感。全国で最も増加幅が大きかったのは四国だった(資料:国土交通省)
2014年1月時点の地域別過不足感。全国で最も増加幅が大きかったのは四国だった(資料:国土交通省)

 厚労省と国交省は13年6月に当面の建設人材不足対策を発表し、「建設業魅力アップキャンペーン」などの入職者支援や、ハローワークでのマッチング強化を実施しているが、顕著な効果が現れているとは言い難い。20年の東京五輪を控えて、公共、民間ともに建設需要が高水準で推移するとの見方が高まるなか、職人不足は投資拡大の足かせになる恐れもある。