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  • (3)地域のキャラクター──「らしさ」とは何か?

 地理的な条件、歴史、人口やインフラの充実度、法制度、そしてそれらの諸条件から育まれたカルチャー等々、都市にはそれぞれに固有のキャラクター、つまり「らしさ」がある。人はそのキャラクターに引かれて街を訪れる。中には移り住み、そこでの生活を営む者もいる。では、横浜特有のキャラクター、「横浜らしさ」とは何なのだろうか?

 シンポジウムの前に、グローバルゲストの4人は2日間ほどかけて、市内のアートスポットやアーティストレジデンスなどを視察した。そこで得た感触から、創造都市としての横浜の強みについて、大半のゲストから「都市インフラの充実」が指摘された。

 道路や建物といった基礎的な設備、警察や消防署、病院といった行政サービスの充実、アーティストレジデンスや古い港湾施設を利用したアートスポットの運営、文化プロジェクトに配分される予算を含めたサポート体制など、地元のクリエイティブを支えるためのリソースや取り組みが横浜市には豊富に備わっている。加えて、地域コミュニティの自発性によって行われている文化活動が盛んなことも、無形のインフラの1つと言える。これらは、横浜が日本で最初に「創造都市」として名乗りを上げ、取り組んできたことの成果だ。

 その一方で横浜らしさ、つまり横浜と他の都市との違いを際立てるユニークさについて、グローバルゲストから明確な答えは出てこなかった。

 「確かに現状では『らしさ』が見当たらない。そのニュートラルさが横浜のいいところだと受け取ることもできるが、やはり僕らはもっと『横浜らしさ』ということについてリサーチしなくちゃいけない」。柳澤氏は改めてそう感じたという

 「規模が大きいこともあり、横浜という街のキャラクターや、何をしに行くのかといったときのTo Doがフワッとしている。僕らはふだんブランディングを考えるときに、どう認識してもらえればユーザーにリーチするかを考える。言い換えれば、『欲を持ってもらえるポイント』を考える。横浜の場合も、欲を持ってもらえる瞬間を具体的に設計できれば現状は変わるはずだし、横浜が創造都市としてセルフプロデュースしていくときに重要な視点だと思う」(太刀川氏)

クリエイティブノード/ヨコハマ SESSION 2 OUR CREATIVECITIES WITHIN ASIAの2日目の様子。4人のグローバルゲストは事前に2日間ほどかけて市内を視察した(写真:渡邊浩行)
クリエイティブノード/ヨコハマ SESSION 2 OUR CREATIVECITIES WITHIN ASIAの2日目の様子。4人のグローバルゲストは事前に2日間ほどかけて市内を視察した(写真:渡邊浩行)