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 近隣住民らが指定確認検査機関を相手取り、建設中の事務所ビルの建築確認処分の取り消しを求めていた裁判で3月19日、さいたま地方裁判所は建築確認を無効とする判決を下した。日影規制の算定方法として広く認められている「発散方式」を違法とする判断で、今後の建築確認業務の運用に影響を与えそうだ。

 訴訟の対象となった建物は、さいたま市内に建設中の事務所ビル。2013年1月に着工、14年6月の完成予定で工事が進んでいる。敷地の用途は商業地域で、東側に第一種住居地域が隣接する。

さいたま地裁で建築確認の取り消しを命じられた、建設中の事務所ビル。地上8階建てで最高高さは約47m、延べ面積は約2万8593m2。建て主はソフトバンクモバイル(東京都港区)で、同社のネットワークセンターとなる。設計、施工は大成建設が担当(写真:日経アーキテクチュア)
さいたま地裁で建築確認の取り消しを命じられた、建設中の事務所ビル。地上8階建てで最高高さは約47m、延べ面積は約2万8593m2。建て主はソフトバンクモバイル(東京都港区)で、同社のネットワークセンターとなる。設計、施工は大成建設が担当(写真:日経アーキテクチュア)

 中高層建築物が敷地外部に及ぼす日影時間の制限は、建築基準法第56条の2で規定され、関連する施行令や自治体の条例で具体的な数値を定める。このとき道路などに面した敷地では、建基法施行令135条の12第1項1号による緩和が認められる。裁判では、この施行令条文中に記載されている「幅」の解釈が争点となった。