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樹木を連想させる4つまたの柱

 内外の視覚的なポイントとなっているのは、上部が4つまたに分かれた木の柱だ。この柱が樹木のように見えることで、内外装に木を使用していることが利用者にはっきりと伝わる。この柱は厳密にいうと、床から1500mm程度の高さまでが十字断面の鉄骨を集成材でくるんだもので、構造的には鉄骨造。それより上の4本に分かれた部分は集成材で、この部分は木造だ。柱の上に架かる梁は鉄骨だ。

建物内の柱(写真:日経アーキテクチュア)
建物内の柱(写真:日経アーキテクチュア)

断面図(資料:丹青社)
断面図(資料:丹青社)

柱の詳細図(資料:丹青社)
柱の詳細図(資料:丹青社)

 「恵みの森をコンセプトに、4本に分かれた柱を用いて、優しい木漏れ日が降り注ぐ森の木立ちを表現した」(長谷川氏)。店舗内装に強い丹青社らしく、照明演出によって柱の上部に木漏れ日が差しているように見せているのも面白い。「他のサービスエリアでも木造の施設はあるが、ここまで意匠的に森を視覚化したデザインは他にないのではないか」(長谷川氏)

時折、天井から木漏れ日が差すような照明演出がなされる(写真:日経アーキテクチュア)
時折、天井から木漏れ日が差すような照明演出がなされる(写真:日経アーキテクチュア)

 耐火性能は準耐火構造(ロ-1)で、構造材を「現し」(木の肌が見えるように露出する手法)にするために燃えしろ設計を用いた。燃えしろ設計は、木材の表面が燃えても構造耐力に支障がないように、あらかじめ断面を大きくしておく設計手法だ。柱の集成材はベイマツ。施工は田中建設が担当した。

庇の下の店舗(写真:日経アーキテクチュア)
庇の下の店舗(写真:日経アーキテクチュア)