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補強部と柱の縁を切る

 新工法は、屋外側の側面だけを補強するのが特徴。実物大の梁を用いた構造実験による性能評価で、屋外側の補強だけでも梁のじん性が改善されることを確かめた。既存梁と補強部は、あと施工アンカーで一体化する。あと施工アンカーの既存梁への埋め込み深さは、アンカー筋の直径の約12倍。この補強により、梁全体のじん性を高め、建物の変形が大きくなっても急激な耐力低下を起こさないようにする。

 また、補強部と柱の間には約150mmのクリアランスを設け、柱に負担をかけない構造とした。柱と補強部を接合すると、梁の補強によって、柱が先に破壊するリスクが生じるからだ。

上が補強前で下が補強後。補強部と柱には150mmのクリアランスを設ける。梁の補強によって、柱が先に破壊するのを避けるためだ(写真:東亜建設工業)
上が補強前で下が補強後。補強部と柱には150mmのクリアランスを設ける。梁の補強によって、柱が先に破壊するのを避けるためだ(写真:東亜建設工業)

 従来工法と比べると工事費も安くなる。東亜建設工業の技術研究開発センター建築技術グループの樋渡健主任研究員は「昨年の10月に既存マンションで試験的に導入したところ、従来工法に比べて工事費を約3割削減できた」と話す。今後は、集合住宅の耐震改修などに積極的に導入していく考えだ。