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「景気循環」の仕組み

 超高層ビルが不況をもたらすという説の根幹は、図「景気循環」を見ると簡単に理解できる。

 そもそも、「高さ記録」を更新するような超高層ビルは、景気が上向きの「回復期」あるいは「好況期」に企画され、建設されることが多い。超高層ビルの建設には、経済の勢いが必要なのである。

 しかし、超高層ビルの建設には、企画、資金繰り、土地の仕入れ、設計、工事などに、短くて数年、長ければ10年単位の時間がかかる。その間に景気は循環して、下向きの「後退期」あるいは「不況期」になっている可能性が高いのである。

 内閣府の「景気基準日付」によれば、1951年6月の山から、2008年2月の山まで、景気は14回循環している。すなわち、1回の循環に約4年かかった計算になる。これほど短期間に循環しているのだから、超高層ビルが建設されている最中もしくは完成した後に、経済が不況に陥っていても不思議ではない。

 これを前提に、日本の超高層ビルと経済の関係を調べてみよう。まず、超高層ビルの高さランキングを作成した。

  • 1位 あべのハルカス
  • 大阪市阿倍野区 300m 60階
  • 工期2010年1月9日~2014年春

  • 2位 横浜ランドマークタワー
  • 横浜市西区 296m 70階
  • 工期1990年3月~1993年7月

  • 3位 りんくうゲートタワービル
  • 大阪府泉佐野市 256.1m 56階
  • 工期1992年8月~1996年8月

  • 4位 大阪府咲洲庁舎(旧・WTCタワー)
  • 大阪市住之江区 256.0m 55階
  • 工期1991年3月~1995年2月

  • 5位 ミッドタウンタワー
  • 東京都港区 248m 54階
  • 工期2004年5月~2007年1月

  • 6位 ミッドランドスクエア
  • 名古屋市中村区 247m 47階
  • 工期2003年1月~2006年9月

  • 7位 JRセントラルタワーズ
  • 名古屋市中村区 245m 51階
  • 工期1994年8月~1999年12月

  • 8位 東京都庁第一本庁舎
  • 東京都新宿区 243m 48階
  • 工期1988年4月~1990年12月

 ランキングの内訳を見ると、大阪府の超高層ビルが3件、横浜市が1件、東京都が2件、名古屋市が2件含まれる。