PR

「草の根的に、自分たちの手で新しい街をつくる」。2011年3月の東日本大震災をきっかけに、宮城県石巻市中央で生まれた有志のグループ「ISHINOMAKI 2.0(石巻2.0)」。石巻を震災前の状況に復旧するだけではなく、新しい街へとバージョンアップさせるため、11年6月に設立されて街づくりに多面的に関わってきた。同時に市民工房として生まれた「石巻工房」も、今では家具メーカーとして歩み始めている。これまでの足跡を振り返りつつ、設立から4年目を迎える今夏、彼ら・彼女らが開催する一連のイベントに向けてなおパワーアップしている様子を伝える。

 宮城県第2の都市で、震災前は人口約15万人を擁していた石巻市。旧北上川沿いの港からJR東日本の石巻駅に向かってL字型に発展した中心市街地であったが、甚大な津波被害を受けて家屋の1階部分はすべて浸水。船舶や自動車が津波で押し寄せたこともあり、半壊や全壊の家屋も多く数えた。震災後の1年間で約28万人のボランティアが訪れて復旧が進み、土地利用を含む復興整備計画もようやく固まったのが現況である。

 街づくりの側面では、「彩り豊かな食と萬画のまち」を掲げた中心市街地活性化基本計画が2010年に策定されていた。しかし、震災以前から中心市街地の商店街は大型ロードサイド店が建設される周辺部に比べて衰退する傾向にあった。そこへ津波が直撃した。地元の若い商店主やNPO職員をはじめ、建築家、街づくり研究者、広告クリエイター、ウェブディレクター、学生などが集まり「震災前の状態に戻すのではなく、新しい石巻にしたい」と、ISHINOMAKI 2.0(石巻2.0)が自然発生的に発足した。

石巻2.0が主催した、石巻の街を考える「まちなかシンポジウム」の様子。2012年7月に石巻市社会福祉協議会ビルで開催した(写真:ISHINOMAKI2.0)
石巻2.0が主催した、石巻の街を考える「まちなかシンポジウム」の様子。2012年7月に石巻市社会福祉協議会ビルで開催した(写真:ISHINOMAKI2.0)