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公共予算消化できずにGDP伸び悩みも

 民間事業だけでなく、公共事業にも労務費高騰は暗い影を落としている。内閣府が13年12月に公表した12年度の国内総生産(GDP)確報値は異例の数字となった。それまで前年度比1.2%増としていたGDPの実質成長率を、0.5ポイントも下方修正して同0.7%増としたのだ。

 その主因は、公共事業を指す「公的固定資本形成」が前年度比14.9%増から同1.3%増へ大幅に下がったこと。これは、復興事業や経済対策のために積み増した公共事業費が12年度内に執行できず、翌年度に繰り越されたことを示している。景気を下支えするはずの公共投資が使われなかったのだ。

 予算が執行できなかった1つの原因は職人不足と労務費高騰だ。公共事業では施工者を決める際に、原則として入札を行い、最も低い金額で入札した会社と契約する。ただし、国や自治体が積算した工事費を予定価格とし、その金額を超えた額で入札した会社とは契約しない。

 もし、入札参加者の金額がすべて予定価格を超えていた場合、その入札は「不落」となり、入札参加者が誰もいなかった場合は「不調」となる。どちらも施工者が決まらず、発注者が入札をやり直すことになる。現在、労務費が高騰しているため、入札の不落や不調が全国で相次いでいる。

 入札のやり直しには時間が掛かるため、それだけ予算の執行が遅れてしまう。また、入札が成立して施工者が決まったとしても、職人が足りずに工事が思うように進まないケースも発生している。

 一般財団法人の建設経済研究所は、14年4月に発表した「建設経済レポート」で、13年度の公共事業について次のように指摘した。「施工能力の制約によって工事進捗が遅れてしまうと、13年度に予定されていた建設投資額が14年度に繰り越されることになり、その結果、13年度のGDPの下支え効果も限られることが懸念される」

 このまま職人不足が続いて公共工事が円滑に進まなければ、14年12月に発表される13年度のGDP確報値の下方修正や、14年度のGDPの伸び悩みもあり得る。

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