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 新国立競技場の建設工事の入札に、実施設計段階で施工予定者を選ぶ「施工予定者技術協議方式」を導入することが明らかになった。日本スポーツ振興センター(JSC)が8月18日、2件の公募型プロポーザルを公示した。公共事業では実施設計業務の設計図書をもとに発注者が予定価格を積算し、入札して施工者を選ぶのが一般的で、設計段階で施工予定者を決めるのは異例だ。

新国立競技場の完成予想図。南西側から見た鳥瞰図だ。スタジアムの周囲にはオープンな通路空間を確保し、敷地外周部を緑化する。歩行者デッキを整備し、建物敷地までバリアフリー化。スムーズにアクセスできるようにする(資料:日本スポーツ振興センター)
新国立競技場の完成予想図。南西側から見た鳥瞰図だ。スタジアムの周囲にはオープンな通路空間を確保し、敷地外周部を緑化する。歩行者デッキを整備し、建物敷地までバリアフリー化。スムーズにアクセスできるようにする(資料:日本スポーツ振興センター)

 施工予定者技術協議方式は、「ECI(アーリー・コントラクター・インボルブメント)方式」とも呼ばれる。設計段階から施工者が関与し、施工上の課題を設計にフィードバックすることで、工事費のリスク軽減および工期の短縮を図る。早期の発注が可能で、発注時に詳細仕様の確定が困難な事業に適しているとされる。

 6月に公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法)の改正法が施行され、発注者は多様な入札方式の中から適切な方法を選択できるようになった。ECI方式は、国土交通省が「多様な入札契約方式モデル事業」の候補として想定する方式の1つだ。

工区はスタンドと屋根に分割

 JSCが公示したのは、「新国立競技場等新営工事(スタンド工区)」と「同(屋根工区)」。スタンド工区は、競技場のスタンド、フィールド、人工地盤、外構などの工事を担当する。屋根工区は競技場のキールアーチや屋根、開閉式遮音装置、スカイブリッジなどの工事を手掛ける。いずれの工区でも、実施設計段階で施工者の立場から施工方法などの技術協力を行う。設計段階の技術協力業務と、施工の2段階に分けて契約する。工期は2019年3月29日までとした。

スタンド工区と屋根工区の工事内容(資料:日本スポーツ振興センター)
スタンド工区と屋根工区の工事内容(資料:日本スポーツ振興センター)