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容積増が争点に、渋谷区役所と公会堂建て替え計画

2014/11/13

分譲マンションの増収策を官民で協議

 このたび区が公表した整備計画案によると、新庁舎は地上15階地下2階建て。地上1階と15階を区民交流ゾーン、2階と3階を窓口ゾーン、4階~12階を事務室ゾーン、13階を2層吹き抜けの議場などがある議会ゾーン、14階を会議室ゾーンとする。免震構造を採用するほか、自然採光や簡単に開閉できるサッシを使った自然通風なども導入する。

新庁舎の環境断面スケッチ(資料:渋谷区)

 新公会堂は地上4階地下2階建て。現在とほぼ同じ計2000席規模の客席を3層にわたって設ける。地下2階に防災備蓄倉庫を配置するなどして、災害時に帰宅困難者を受け入れられるようにする。

新公会堂の客席(左)と1階エントランスロビーのイメージ(資料:渋谷区)

 ただし、新庁舎と新公会堂の延べ床面積はいずれも固まっていない。三井不動産などは提案時点で、新庁舎の延べ床面積を約3万3400m2、新公会堂を約8300m2と想定していた。

 さらに、建て替え事業の要ともいえる分譲マンションの規模も決まっていない。三井不動産などは当初、地上37階建てで高さ121m、延べ床面積約4万5300m2、414戸のマンションを建設して販売すると提案していた。

 分譲マンションなどの規模が決まらない最大の理由は、ここ1年ほどの間に起こった建築費の高騰にある。渋谷区が10月31日に開いた区議会庁舎問題特別委員会で、区の担当者は「建築費が3割から5割上がっている」と指摘した。

 渋谷区が新庁舎と新公会堂を財政負担なしで受け取るには、それぞれの延べ床面積を減らして建築費を抑えるか、分譲マンションの規模を大きくして販売戸数などを増やし、建築費の上昇分を販売収益で補うしかない。区は後者の選択肢を採用する方針で、同特別委員会において「定期借地の面積は変えず、容積率の割り増しで対応したい」と説明。容積率を緩和することで、定期借地の権利金として設定した154億円を数十億円ほど引き上げる考えだ。

 現在の庁舎などがある敷地の指定容積率は500%となっている。これに対して、三井不動産などが当初に提案した新庁舎と新公会堂、分譲マンションの容積率は、3棟の合計で約700%となる。総合設計制度の適用を前提としたものだ。渋谷区は今後、同制度に基づいて容積率をさらに割り増しできないかどうか、官民で協議していく。

瀬川 滋日経不動産マーケット情報

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