第三者検査を手掛ける凄腕検査員の長井良至さん(名古屋市のカノム社長)が、準耐火建築物の住宅でファイアストップ材がないことを発見した。準耐火建築物でよく見かける施工ミスだ。施工ミスの見つけ方、事後の対処方法などを執筆してもらう。(日経ホームビルダー)
下の写真は、準耐火建築物として建てられた木造3階建て住宅の間仕切り壁上部だ。建て主から依頼された完成時の検査で天井点検口から目視したところ、間仕切り壁と天井の取り合い部にファイアストップ材がないことを発見した。
本来は木材や石こうボードなどからなるファイアストップ材で塞ぐ必要がある。
ファイアストップ材は、住宅内での延焼を抑えるために、部材内部や部材間を区画する役割を果たすものだ。準耐火構造に関する告示1358号には書かれていないが、同告示の解説書で、通称「赤本」と呼ばれる「準耐火建築物の防火設計指針」(日本建築センター発行)に規定がある。
赤本は旧建設省住宅局建築指導課と日本建築主事会議が監修したものなので、行政が求めていると判断できる。