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メンテナンスや改修も視野に

 この負圧で排水する仕組みはいくつかのメリットを生み出す。例えば、管のメンテナンス性がある。従来の排水管と比較すると排水速度が約5倍に上ることから、管内に排水に混じっていた残りかす(残渣)が付着しにくい。また、搬送距離が長くできることから、立て管を専有部ではなく、廊下などの共用部に設置でき、外部からのメンテナンスがしやすくできる。

床下配管の様子を示した断面図。従来よりも管径が小さく、床下のふところも小さくできる(資料:長谷工コーポレーション)
床下配管の様子を示した断面図。従来よりも管径が小さく、床下のふところも小さくできる(資料:長谷工コーポレーション)

 最大のメリットは、管を無勾配で設置できる点だ。塩化ビニル管(塩ビ管)を使った一般的な排水管の場合、液体を立て管まで流すために勾配をつけて設置する必要がある。勾配が緩すぎたりすると、液体の流れが止まり排水できないため、立て管までの配管距離はキッチンの場合は排水が途中で止まらないように2~3m程度と短かった。だが、サイホン排水システムの場合は、負圧を利用して排水するため管に液体を流すための勾配が必要ない。そのため、排水に必要な負圧が得られる距離内(キッチンの場合はおよそ14m)であれば無勾配の状態で設置できる。

サイホン排水システムを採用すると搬送距離が長くなるため、キッチンの配置などの自由度が高くなる(資料:長谷工コーポレーション)
サイホン排水システムを採用すると搬送距離が長くなるため、キッチンの配置などの自由度が高くなる(資料:長谷工コーポレーション)

 搬送距離が長くキッチンの配置の自由度が高まることは、長期間住み続けることのきっかけにもなる。例えば、新築時に同システムが採用されていれば、入居10年後や20年後でも、キッチンの位置を自由に設定できる。間取り提案の幅が広がるため、ライフスタイルに合わせた改修がしやすくなる。

 無勾配の設置は室内空間にもメリットを生み出す。使用する排水管は従来は管径が40~75mmの塩ビ管を使用するのが一般的だが、サイホン排水システムでは管径が20~25mm。床下に設ける配管用のふところを130mm程度と小さくできる。