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継ぎ手などの開発に苦心

 システムの開発は、1999年にブリヂストンが基礎研究を開始したことから始まった。2014年に長谷工コーポレーションと野村不動産が開発に参画。長谷工コーポレーションが建築設計における製品の評価などを担当。野村不動産は建築設計のほか、ニーズの提案などを担当した。

 開発に苦心したのは、「継ぎ手の部分」とブリヂストンの担当者は説明する。例えば、キッチンのトラップの先に接続する専用の継ぎ手部材には、同システムのノウハウが盛り込まれた。

 キッチンの排水口の先には通常、排水トラップと呼ばれる部材が取り付けられている。このトラップ部分には少量の水がたまっており、この水が蓋となることで、排水管の先の下水管などからの臭いが入ってくることを防ぐ仕組みだ。だが、負圧を利用するサイホン排水システムでは、そのまま接続してしまうと、このトラップ部分の水まで吸い出してしまう恐れがある。そこで、トラップと排水管の継ぎ手部材の部分に、管内に生じる負圧を制御しトラップの水までも引き込まないように仕掛けを施した。

 さらに、管同士を接続する継ぎ手の開発にも苦労した。無勾配で排水するため、継ぎ手に凹凸ができると排水がたまる原因になる。継ぎ手で管をつないでも、凹凸が生じないように調整した。

 同システムは今後、キッチン以外の浴槽や洗面台といった水回り設備にも対応させる方針だ。また、日本建築学会では次世代の排水システムの1つとして、同システムも対象とした排水システムの設計ガイドラインを作成中だ。設計ガイドラインは年内の発行を目指している。