PR

 日本建築家協会と日本建築士会連合会、日本建築士事務所協会連合会の建築設計3団体は7月24日、「新国立競技場整備計画再検討にあたっての提言」を連名で発表した。「残された時間は少なく、同様な問題を繰り返すことがあってはならない」としたうえで、競技場の設計条件見直しの必要性などを訴えた。

日本スポーツ振興センター(JSC)が開催した7月7日の有識者会議で展示された新国立競技場の模型。この案は白紙撤回された
日本スポーツ振興センター(JSC)が開催した7月7日の有識者会議で展示された新国立競技場の模型。この案は白紙撤回された

 提言では、新国立競技場の計画が白紙撤回されたことについて、「歓迎する」「複雑な問題を解決することが可能な最後のタイミングで英断がなされた」と評価。2520億円にまで膨らんだ建設費増大を招いた要因について「単にデザインの新奇さにあるだけではなく、工事の総量が大きくならざるを得なくなるような設計条件の設定にある」と指摘した。

 そのうえで、再スタートの際には(1)設計条件の見直し、(2)最適なデザイン・設計・工事が行われるための枠組みづくり、(3)責任と権限を明確にしたプロジェクト体制づくり――の3点が必要であると言及し、具体策を提言した。

 設計条件の見直しについて、「大幅に見直すことなく新たな設計を始めても工事コストと工期のリスクは変わらない」と指摘。多目的利用の見直し、競技場機能の絞り込みとともに、費用のかかる地下・低層部分の施設の大幅な縮減を求めた。「特に開閉式屋根の必要性については見直すべきだ」とも述べた。

設計条件の見直しに関する提言部分を抜粋(資料:日本建築家協会)
設計条件の見直しに関する提言部分を抜粋(資料:日本建築家協会)